中宮温泉 白山開山の祖が開いた歴史ある山間の湯

 
白山
日本三名山の白山(白山スーパー林道より)

石川・岐阜県境に聳え立ち、富士山、立山と並ぶ「日本三名山」でもある霊峰・白山。標高2000mを越える山としては、国内で最も西に位置し、古くから知られた信仰を集めた山ですが、その麓には数多くの温泉があります。その中でも、最も古い歴史を持ち、白山信仰とも深く関わるのが、中宮温泉です。
白山スーパー林道
山の間を縫うように走る白山スーパー林道

中宮温泉は、白山の北側の険しい山並みを越えて石川県と岐阜県を結ぶ、「白山スーパー林道」の石川県側の料金所付近にあります。標高700mの山麓に四軒の旅館があり、うち三軒は谷間に寄り添うようにして建ち並んでいます。また、山深い場所のため、冬期(12月~4月)は積雪により閉鎖されます。

にしやま旅館
趣のあるにしやま旅館の玄関

信仰の山としての白山は、奈良時代の修験道の僧・泰澄(たいちょう)によって開かれたとされていますが、中宮温泉も、同じ頃に泰澄によって開かれたと言われています。谷川で白鳩が傷を癒すのを見て発見したと伝わり、古くから「鳩の湯」「鳩谷の湯」と呼ばれて来ました。開湯から1300年程経つ、歴史ある温泉です。

ところで「中宮」というのは、少し変わった地名ですが、付近にある神社が由来です。
白山信仰の中心は、ここからずっと金沢方面の麓へ下った場所に鎮座する、
全国の白山神社の総本社・白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)ですが、
白山山頂に奥宮があり、その他にも白山を信仰の対象とする数多くの神社が周辺にあります。
中宮のあたりにもそうした神社があって、
白山比咩神社と奥宮の間に位置することから、「中宮」という名が付いたようです。
中宮温泉からいくらか麓へ下った新中宮温泉の近くにある、
笥笠中宮神社(すがさちゅうぐうじんじゃ)がそれで、
別の場所にある佐羅早松神社(さらはやまつじんじゃ)、
白山別宮神社(しらやまべつくうじんじゃ)とともに、「中宮三社」と呼ばれました。
白山比咩神社を中心とする「本宮四社」とともに、「白山七社」とも呼ばれ、
白山信仰を代表する、有力な神社だったようです。

白山比咩神社の祭神は、菊理媛神(くくりひめのかみ)で、
白山比咩神(しらやまひめのかみ)、とも呼ばれますが、
創世の夫婦神である、冥界から逃げ帰ってきた夫・イザナギと、
死後の醜い姿を見られ怒って追って来た妻・イザナミの間を取り持った神として、
日本書紀に現れます。
菊理媛神が何かを言って、両者の争いは終わるのですが、
ここで菊理媛神が何を言ったかは書かれておらず、その描写もごくわずかである為、
神話上の大きな謎の一つになっています。
一方で、国内には数多くの白山神社があり、日本の有力な信仰の一つなのですが、
泰澄以前の白山信仰に関わる話はこの神話くらいしかなく、謎を深めています。

木戸旅館浴場
九谷焼の壁画のある木戸旅館の浴場

さて、筆者は「木戸旅館」で日帰り入浴をしました。こじんまりとした浴場ですが、趣のある檜の湯船にモスグリーンの湯がたたえられています。壁には九谷焼作家・松本佐一氏の陶壁画「白山讃歌」が飾られています。露天風呂はありませんが、山あいの湯治場の雰囲気が楽しめました。尚、中宮温泉には露天風呂のある旅館もあります。

析出物
析出物の多さが成分の濃さを物語る中宮温泉の湯

成分の濃い湯で、湯船の端には波状の析出物があります。枡が置いてあって、飲泉も可能。古くから胃腸の湯と呼ばれ、肝臓やすい臓にも効くようです。泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、食塩と重曹が多く含まれています。モスグリーンの湯を見たときには、別府の竹瓦温泉を思い出しましたが、やはり似たような泉質のようです。

温泉卵
木戸旅館の温泉卵

こちらは木戸旅館で湯上りに食べた温泉卵です。日帰り入浴でも、広間の休憩室を使う事が出来、そこで食べられます(持ち帰りも可能、写真は持ち帰って撮影したもの)。他にコーヒーなども飲む事が出来ます。

ふくべの大滝
白山スーパー林道沿いの大滝

上に書いたように、中宮温泉は白山スーパー林道の入口にあります。白山スーパー林道は、少し先に白山を望みつつ、ダイナミックな地形を楽しみながらドライブが出来る有料道路です。途中の駐車場に車を停めて、山道を歩いて三十分程下ったところには、滝を目の前にした無料混浴露天風呂「親谷の湯」もあります(筆者は着いた時間が遅かったため入れませんでした)。

白川郷
世界遺産・白川郷の合掌造り

白山スーパー林道を岐阜県側へ抜けると、世界遺産の合掌造りで有名な、白川郷があります。白川郷までは東海北陸自動車道が通っていますので、中宮温泉へは東海地方からのアクセスも比較的容易です。ただし、白山スーパー林道は、6月~11月の間のみ通行可能です。また、夜間や二輪車の通行は禁止です。

中宮温泉
▼所在地:石川県白山市中宮
▼泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(低張性中性高温泉)
▼ph:6.8
▼泉温:61℃
▼湧出量:130リットル/分(自噴)
▼温泉の利用形態:源泉掛け流し
▼日帰り営業時間:不明(18:30頃は入浴可能でした)
▼休業日:12月上旬~4月上旬
▼入浴料:500円
▼問い合わせ先:木戸旅館 076-256-7953
http://www.kido.yad.jp/index.htmlLink
http://www.chuguonsen.com/Link (中宮温泉旅館協同組合のサイト)


中宮温泉の地図はこちら。
白山スーパー林道料金所の手前に看板があり、脇へ入る道があります。
その道を登っていくと中宮温泉に着きます。尚、上に書いたように、冬期は閉鎖されます。
また、これも上に書きましたが、白山スーパー林道は、半年程しか開通しておらず、
夜間の通行や、二輪車の通行もできません。白川郷からアクセスする際には注意が必要です。
近頃はETCが1000円になった影響で、連休ともなると、
東海北陸自動車道や白川郷の周辺が大変混雑します。
特に、白川郷は駐車場のキャパシティを超えるほどの自動車が来ると、
ICからの道が想像以上の渋滞となります。筆者が訪れた際は、ICの高速本線との分離帯に、
「合掌集落まで3時間」という表示がありました。
このときは白川郷自体には寄らなかったのですが、ICから白山スーパー林道の入口まで、
たった数km進むのに1時間程掛かりました。夜間閉鎖される道であるため、
この点を考慮しておかないと、入口まで行ったものの、
スーパー林道に入れないという事態が発生しますので、注意が必要です。

大きな地図で見るLink

宿 飲泉 炭酸水素塩泉 塩化物泉 露天 濁り湯 日帰り 源泉掛け流し 秘湯 白山温泉郷

— posted by 温泉郷案内人 at 03:51 am   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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