今ひとつパッとしないエリアですが、
実は、古くからいくつもの温泉が湧き出ている事で知られている場所。
その中でも、山陰屈指の名湯として名高いのが、三朝(みささ)温泉です。
三朝温泉は、三徳川沿いに温泉街を形成しています。その中心が三徳川に架かる三朝橋で、目の前の河原に、三朝温泉の名物「河原風呂」があります。河原に湧き出る温泉の周りを石で囲んで湯船としたもので、元来は地元の共同浴場として造られたものが、今では観光名所となっています。目の前を三徳川が音を立てて流れており、開放感満点の露天風呂です。
しかも、この河原風呂は、無料開放されている上に、24時間いつでも入浴可能です。ただし、三朝橋側に一応よしずが立ててあるだけなので、橋や堤防からは温泉がほとんど丸見えです。三朝橋は温泉街の中心ということもあり、休日には多くの観光客が通行します。また混浴で水着用不可ですが、バスタオルの着用はOKです。抵抗のある人は、夜間や早朝に入ると良いでしょう。
三朝橋自体も、京都の渡月橋を思わせる風流な橋で、温泉情緒を醸し出しています。昭和9年に、青御影石を使って造られました。
三朝温泉は、世界屈指の放射能泉としても有名です。この写真はラジウム発見者キュリー夫人にちなんで作られたキュリー広場。キュリー夫人が活躍したフランスの凱旋門をイメージしたステージが建てられています。
キュリー広場に建つキュリー夫人の像。三朝温泉の放射線量は683.3マッヘで、国内第三位を誇るようです。また、温泉の定義の一つである「泉温25℃以上」(それ未満は冷鉱泉)では、ラドン含有量が国内のみならず世界一の温泉となるようです。こういった泉質から、三朝には数多くの医療施設が建ち、本格的な湯治宿などもあります。ちなみに、「三朝」という地名は「三晩泊まって三度朝を迎えれば難病も治る」というのが由来だそうです。
三朝温泉にはこんな開湯伝説があります。平安時代末期、源義朝の家来・大久保左馬之祐(おおくぼさまのすけ)が、三朝近くの三徳山三仏寺へ源氏再興を祈願した際、老いた白い狼に出会い、弓で射ようと思ったが思い止まって見逃すと、その晩夢に妙見菩薩が現れ、白狼助けたお礼に楠の株から湧き出る湯を教えられた、というもの。温泉街にある三朝神社は、大久保左馬之祐が篤く崇敬したため、かつては大久保大明神と呼ばれていました。
三朝神社の境内にある手水は、温泉になっていて、「神の湯」と呼ばれています。飲泉も可能です。なお、三朝温泉には大久保左馬之祐が発見したという湯が、今も「株湯」という共同浴場として存在し、入浴もできます。また、開湯伝説を現した白狼像もあります。
三朝の温泉街は、結構な広さがあります。こちらは、温泉街の中に建つ薬師堂と、その隣の足湯・飲泉場。上の神の湯も含め、いくつかの飲泉場があり、飲むと消化器や呼吸器に効くそうです。また、三朝には与謝野鉄幹、与謝野晶子、野口雨情、志賀直哉、斎藤茂吉、島崎藤村など名立たる文人も訪れ、温泉街にはいくつかの文学碑が建っています。
この他、三朝町内には、開湯伝説にも関わる三徳山三仏寺があります。
千三百年前、修験道の開祖・役小角が開いた古刹で、
切り立った断崖の窪みに建つ国宝の奥の院、通称「投入堂」で有名です。
三朝町や鳥取県では、世界遺産への登録も進めています。
このように効能と歴史豊かな三朝温泉。
鳥取-島根間を移動する旅行者(ほとんどは鳥取砂丘と出雲大社が目的でしょう)には、
「何もないのに距離が長い」と思われがちな鳥取県中部ですが、
時間に余裕があれば十分に寄り道する価値のある温泉です。
特に自動車で鳥取-島根間を移動する移動する場合、24時間入浴可能な河原風呂は大変重宝します。
三朝温泉(河原風呂)
▼所在地:鳥取県東伯郡三朝町三朝
▼泉質:単純放射能泉
(他の源泉には含放射能-ナトリウム・塩化物泉、含放射能-ナトリウム・炭酸水素塩泉もあり)
▼放射線量:683.3マッヘ(どの源泉についてかは不明)
▼ph:7.1
▼泉温:36.5℃~86.1℃(三朝温泉全体)
▼湧出量:36リットル/分(自然湧出?)
▼温泉の利用形態:源泉掛け流し
▼営業時間:24時間
▼休業日:無休
▼入浴料:無料
▼問い合わせ先:三朝温泉観光協会 0858-43-0431 http://www.misasa-navi.jp/
三朝温泉の地図はこちら。日帰りの場合、三徳川の河原にある無料駐車場か、
郵便局の向かいの奥あたりにある、有料駐車場が便利です。
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