その西部の山沿いには、国内では珍しい炭酸泉がいくつか湧き出しています。
その中でも有名なのは、県南西部の長湯温泉ですが、同じ市内にある七里田(しちりだ)温泉には、
非常に高濃度な炭酸泉が湧いています。
温泉通には有名ながら、一般にはあまり知られておらず、ひっそりとした雰囲気の七里田温泉。
写真の日帰り入浴施設「木乃葉の湯」もなかなかいい湯ですが、実はこの他にマニアックな浴場があります。
まずはここでその浴場の鍵を借ります。
浴場の名前は下(した)ん湯。木乃葉の湯で聞いた案内に従い、民家の間の、細い路地に入っていきます。
これが下ん湯の建物。色々な意味でいい味出してます。「日本無類の炭酸泉」の言葉に胸が高鳴ります。
一歩建物の中に入ると、こんな注意書きが。炭酸ガスが濃すぎて酸欠の恐れがあるというとんでもない温泉です。あるTV番組が行った実験では、湯の上に浮かべたロウソクが5分で消えたとか。
限りなく渋い下ん湯の浴場。鉄分も多く含んでいるため、床は一面赤い析出物で覆われています。また、酸欠を避けるため、床に寝ないよう注意が書かれていました。
湯船は炭酸の泡で満たされており、泡風呂状態。表面も泡だらけで、肌でもって炭酸の濃さを味わえます。口に含むと、まるでサイダー。いや本当にサイダーなのですが。鉄の味もかなりします。なお、炭酸泉の常として、湯温はかなりぬるめです。
どのくらい炭酸が濃いか、お分かり頂けたでしょうか。
これだけ紹介すれば、もう特に言葉はいらないんじゃないと思いますが、
この温泉の凄さは、とにかく一度入ってみれば分かります。
日本にこんな場所があったんだと、驚きますよね。もちろん源泉掛け流しですよ。
最近は炭酸泉ブームで、都会の銭湯にも炭酸泉があったりしますが、比較になりません。
これでいて炭酸含有量は日本一ではないのですが、
炭酸というものは水の温度が高いと「気が抜けて」しまうし、
温度が低過ぎると温泉としての用を成さないので、
その観点からすれば「日本一の炭酸泉」といっても過言ではありません。
実際、そのようにとらえる向きが多いようです。
「日本一の炭酸泉」は、近くの長湯温泉のキャッチコピーですが、
長湯温泉と合わせて入ればその違いが分かります。
もちろん、長湯温泉も非常にいい温泉で、同じように泡に覆われた温泉もあります。
近くに行ったときには、どちらにも入ってみる事をおすすめします。
別府や由布院が有名な大分県の中で、九州の人でもないと、
なかなかここまで足を伸ばすのは難しいのも事実ですが、
ここと長湯温泉に入るためだけに遠方から訪れても、十分に満足できると思います。
七里田温泉(下ん湯)
▼所在地:大分県竹田市久住町大字有氏字湯ノ上4059-1
▼泉質:含二酸化炭素-マグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉
(中性低張性温泉)
▼遊離炭酸:1113mg
▼ph:6.3
▼泉温:36.3℃
▼湧出量:不明(自噴、掘削の有無は不明)
▼温泉の利用形態:源泉掛け流し
▼営業時間:9:00~21:00
▼休業日:毎月第二火曜日
▼入浴料:300円
▼問い合わせ先:七里田温泉館 木乃葉の湯 0974-77-2686
http://www006.upp.so-net.ne.jp/mario/konoha/
七里田温泉の地図はこちら。
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1. ばっしー — 2010/05/09@12:28:40
下湯は噂どおり圧巻の炭酸泉
http://onsenbashi.blog5.fc2.com/blog-entry-168.html
木乃葉の湯も濃いにごり湯と九重大船山の眺め、期待してなかったけど意外とよかったです
http://onsenbashi.blog5.fc2.com/blog-entry-169.html
一気に七里田温泉ファンになった1日でした!!