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尻焼温泉 川そのものが巨大露天風呂

群馬県は、「天下の名湯」草津温泉をはじめとした関東屈指の温泉県ですが、
その草津から山一つ越えたところに、尻焼(しりやき)温泉という秘湯があります。

尻焼温泉 川の湯
尻焼温泉 川の湯

尻焼温泉の特徴は、何と川そのものに浸かること。川底から湯が湧きだしており、川の水と混じり合って、そのまま巨大な天然の露天風呂になっているのです。この露天風呂はその名も「川の湯」と呼ばれています。
川の湯 下流側
川の湯より下流側を望む

湯船からの眺め。川であることがよく分かるでしょう。川岸にある小屋のようなものは、共同湯です。

川の湯 上流側
川の湯より上流側を望む

こちらは湯船から上流を眺めたところ。長笹川という川の上流と下流を堰き止め、湯船にしている訳です。結構深いところもあって(といっても成人の足が付かないような深さではありません)、温泉入浴というよりは川で泳いでいるような気分になります。

川底から上がる泡
川底から湧き上がる泡(温泉)

写真の中央の川底から、泡がぷくぷくと湧き上がっているのが分かるでしょうか。動画も撮影しましたので、そちらを見てみましょう。

川底のあちこちから、不定期に泡が浮かんできます。正真正銘の天然温泉です。
古くはこうして湧く温泉に尻を当てて痔を治したことから、「尻焼」という名が付いたそうです。

このように、湯船自体が非常に大きく、川の水と混じり合う上、
温泉の湧く場所も時間も量も一定ではないので、温度も一様ではありません。
冷たいところもあれば、熱いところもあります。
もちろん、気候にも大きく左右されます。気候といっても気温だけではありません。

川の湯の上流(2月)
川の湯の上流(2月)

これは湯船の上流側の堰の上の様子です。時期は2月上旬。気温は-10℃くらいで、川が完全結氷しています。が、こんなときでも温泉の湧く湯船には浸かる事が出来るのです。

川の湯の上流(3月)
川の湯の上流(3月)

こちらは約1ヵ月後の3月中旬の、同じ場所の様子。気温はプラスになり、川も流れています。しかし、湯船はこのときの方がはるかに冷たく、ギリギリ入浴できる程度でした。気温が高い方が、流れ込む水の量が増え、湯船の水温が下がるのです。このもう少し後、雪解けの時期にはさらに水温が下がり、増水もしてしまうので入浴が不可能になります。雪解けの時期以外でも、大雨が降ると同じ状況になります。

尻焼温泉 共同湯
川岸にある共同湯

川岸にある、温泉を引いてある地元の人の共同湯です。この湯船は川の水が混じっていないので、
熱い事が多いのですが、気候の影響や源泉の湧き方によって温い時も結構あります。なお、この共同湯は水着着用禁止です。川の湯のほうは、川だけに水着を着ても問題ないのですが、更衣室はありません。

尻焼温泉の旅館
尻焼温泉の旅館

川の湯の少し下流には、温泉宿もいくつかあります。日帰り入浴も出来るので、川の湯に抵抗のある人も温泉を楽しめます。ちなみに、尻焼温泉は鉄分も含んでいるらしく、写真のように川の石は赤茶けた色をしています。温泉自体は無色透明ですが、濃いところでは若干の硫黄臭もします。

このようにまさに秘湯と言える尻焼温泉ですが、東京からも割合近く、
それなりに有名になってきたためか、夏場はかなり混雑する日もあります。
水遊びを兼ねて来る人が多いので、どうしても夏になりますし、冬には寒いイメージがあります。
しかし、上で説明したように、厳冬期には流入する川の水の量が減って水温が上がります。
夏よりも冬の方が水温が高い場合もあるようです。
少なくとも厳冬期には最も温泉濃度が高くなるので、温泉好きの方には冬の入浴をお勧めします。
冬には、写真の通り雪見風呂になりますし。
ただし、更衣室がないので、風呂上がりに裸で吹雪に曝される可能性もありますが……。

尻焼温泉(川の湯、営林署源泉)
▼所在地:群馬県吾妻郡六合村大字入山尻焼
▼泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
▼ph:8.0
▼泉温:54.8℃
▼湧出量:294リットル/分(自然湧出)
▼温泉の利用形態:源泉掛け流し
▼営業時間:24時間
▼休業日:無休
▼入浴料:無料
▼問い合わせ先:六合村役場 0279-95-3111 http://www.vill.kuni.gunma.jp/Link


尻焼温泉の地図はこちら。
なお、川の湯は道路沿いにありますが、非常に狭い谷で道も細いため、
すぐ近くには駐車できません。何百mか手前に、村営駐車場があるので、そちらを利用して下さい。

大きな地図で見るLink

宿 炭酸水素塩泉 塩化物泉 露天 野湯 日帰り 24h 源泉掛け流し 混浴 秘湯 共同湯 硫酸塩泉

— posted by 温泉郷案内人 at 09:17 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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